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きば、受診
◆2006年08月30日(Wed)◆
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ここ3年ほど、『受診』というと産婦人科か小児科だったのだが…多分きばとしては久々の内科受診。近くの開業医で受診した。
その間、オレは二人の子の子守。徒歩にして五分とかからない場所の医院だし、平日の午前なのでそう時間はかからないだろう…と思いながら、家の掃除や昼食の用意などをして待っていたのだが、待てど暮らせど帰ってこない。帰ってきたのは、正午をまわった辺りだった。2時間待たされた上、点滴を受けてきたらしい。診断は、『扁桃腺炎』。うわぁ、これは熱が出る…と覚悟した。結局オレも扁桃腺炎だったし、扁桃腺が腫れたら熱が出るのは定石だ。実家は甥っ子の帰省の準備でてんやわんや。義母は金曜日の午後でなければ都合がつかないと言う。地獄を、覚悟した。
…地獄、だった。
昼間はまだ良かった。ぐりは割と大人しく(おしゃぶりとかで強制沈黙モード)、ひぐは機嫌良く遊んでいたから。買い物に行く余裕すらあった。
ところが、夕方。 どうにも子供ってのは、やはり夕方というのはもの寂しいのだろうか、ひぐが乳児の時からそうだが、夕飯を作るくらいの時間になってくると機嫌が悪くなってきて、泣き始めてしまう。ひぐが泣けば、ぐりが泣く。ひぐをあやす内にぐりの泣き声がグレードアップ。それを聞いたひぐは泣き止むどころか…と、相乗効果抜群。誰だよ年子の方が双子より楽だよ、って言ったヒト。一緒ジャンこれじゃ(涙)。
まぁ最初っから泣いてるときはまだ良い。一番大変なのは「他のことをしているときに泣き出される」場合。それも、「ぐりの授乳中に、ひぐが火が付いたように泣き出す」ケース。これ最悪(笑)。
定時の授乳をしていたわけですよ、ぐり君に。この日、ぐりは割とイイコしていたので、それだけが助けだな〜と思いながら。で、後ろの方でひぐが遊んでいる音は聞こえていたわけですよ。最近では目の端で捉えなくても、耳に聞こえてくる音で大体の見当がつくようになったわけで。あぁ、机の辺りで遊んでるな…と思っていた。机の上には勿論色々な物が置いてあるわけで、そこには危険な鋏やシャーペンなども老いてあるのだが、いずれも手の届く場所には置かないようにしている。机周りで遊ぶのはいつものことだし、そう心配していなかった。 しかし、次の瞬間に聞こえてきた音は。
「ドサドサドサッ」
「ふみゃぁぁぁぁん」
「ズゴッ」
「ぶみ゜ゃぁ゜ぁ゜ぁ゜○×▽♂℃″$¢&*@☆#!!」
解説すると、
@机下の本棚から本を引きずり落とした「ドサドサドサッ」 A驚いて泣いた「ふみゃぁぁぁぁん」 Bそのまま立ち上がり、机の天板に頭をhit「ズゴッ」 C以下略
…オレにどーしろと。 仕方がないのでぐりの授乳を一旦中止し、狂ったように泣き猛り続ける娘を小脇に抱えて戻り、右腕で娘をなだめながら左腕で息子を抱えて授乳を続ける態勢になった。幸い程なくしてひぐは機嫌を戻してくれたので助かったが…
さらに夜。
大量に発生している洗濯物(子どもの物は言うまでもなく、オレのTシャツが何故だか一日で何枚も)を干さんべく、まず干してある洗濯物を取り込もうとしている時だった。ちなみに、洗濯物を干したり取り込んだりは、現在はすっかり夜になっている。二人を寝かしつけた時間帯でないと、そんなことをしている余裕が無いからだ。勿論ひぐが起きている時に洗濯物を畳むなどは考慮にすら値しない。何故なら、畳む傍から山を崩され、無茶苦茶にされるから。賽の河原の子供達だって、鬼がまだ居るのに石を積み上げる暴挙に出はしまい。オレの失敗は、ひぐを完全に寝かしつける前にベランダに出たことだった。
ベランダに出るとき、平常は一人が子供達を見て、一人が作業に当たる。その時、ベランダに出る方も音が確認できるように網戸にして出る。そうやって協力しているのだが、今回はきばは寝込んでいるのだ。ひぐが布団の上に転がっているのを確認してから出たつもりだったのだが、まだ寝ていなかったらしい。嬉々として、開いた窓の所に迫ってきた。こちらはそれが分かっているものの、洗濯物の世話で手が離せない。そしてひぐの取った行動は。
@網戸を手でもって開け、外に出る隙間を確保する
A網戸を手でもって閉め、隙間を閉じる
B確保したはずの隙間から出ようとして網に邪魔される
C泣き猛る
…………………………………………………………………鳥頭?
見ていておもしろかった…というのは、事が完全に終わってからの感想であって、その瞬間のこちらの頭の中は、パニックに近いものがある。夜中に外に向かって泣き叫ぶ娘。洗濯物で埋まっている両手。その洗濯物をどかすには網戸を開けて室内に放り込むのが唯一の手段なのだが、その網戸には泣き叫びながら尚も突進を試み、両手と顔を押しつけて全体重を掛けている我が娘がいる。ここで網戸を動かしたら…!?何デジベルほどの騒音公害が新たに発生するだろうか。それでも仕方がない、覚悟を決めて網戸を開け、洗濯物を放り込み、娘を抱き上げる。幸い、ひぐは街の光に目を奪われて、すぐに大人しくなった。
…ふぅ。
一息つき、ひぐを抱いたまま残りの洗濯物を取り込み、寝室にひぐを連れて行って寝かしつけてから、新しい洗濯物を干した。部屋に戻り、取り込んだ洗濯物をたたんで、夜の授乳の準備をして、それで寝て、さて次の授乳まで何時間寝られるかな…そんな事を考えながら、取り込んだ洗濯物に手を伸ばした。
ぬちゃ。
ぬちゃ?何故だろう取り込んだ洗濯物が濡れている。恐る恐る洗濯物の山の下を見る。
ひぐのマグが転がっててお茶がこぼれててびしょ濡れで。
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!! 折角、せっかく乾かして取り込んだ洗濯物が!!!!
そういえば、先刻外に出られないことに腹を立てたひぐが、手に持っていたマグを地面に叩きつけていた記憶がある…その後その上に洗濯物を置いちゃったわけね(泣)当の本人は既にスヤスヤと寝息を立ててる…ぐりもきばも寝ている。
夜の静寂に、微かな嗚咽が交じったかどうかは、誰も知らない。 |
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