
きばが車を買った。三菱の"i"。
そりゃもう何せ、滋賀県である。公共の交通機関は無いに等しい。最も河毛なので駅はあるし、駅発のバスもあるのだが、しかし無いに等しいのである。大人なら、分かるね!?それ以上ツッコム子は、先生、嫌いだゾー?
一応免許は持っているきば。滋賀に来てから取ったのだが、免許取得に1ヶ月ちょいという、最短期間で取得した経歴を持つ。最初の実車で「イヤーン、コワーーーーイ、ヤダヤダヤダ、絶対に乗んない〜!!」などとぬかして、取得のための最長期間9ヶ月をフルに費やした夫とは実に好対照なのである。尤も、オレは通勤でここ7年間は毎日運転、片やきばは、ペーパードライバー歴2年半になろうとしていたのだが。
最初の内は、カム子で練習していたきば。オレはヒヤヒヤしながら、海神様の怒りを静める為ナビゲーターとして、横に乗っていたのだが、まぁ如実に上手くなっていくのが見て取れたので、最近ではすっかり安心して生贄役を免れた同乗することもなく、色んな所に出かけているようだ。
さて、i、実際にオレも運転してみたが、なかなか軽快に走ってくれる。どうしてもエンジンの排気量の問題もあるので、低速〜中速辺りの加速感には欠けるものの、走り始めたらレスポンスも悪くないし、何より小回りの効くキビキビとした走りを見せてくれる。タイヤの切れ角が大きいのも影響しているのだろう。サスペンションなんかは、カム子よりも柔らかくてショックの吸収性がいい様にすら感じる。
何より、カワイイ(笑)。購入候補にはダイハツのTantoも挙がっていたのだが、居住空間などは非常に広くて気持ち良かったものの、どうしても軽臭さの消えないエンジン音とハンドリング、そして何よりもDQNのイメージ付きまとう部分があっただけに躊躇われたのだが、iはその辺りに、お洒落さんなというか、洗練された感じがあって良い。何せ車というのは、運転しているときのフィーリングもさることながら、その運転している自分自身も含めた空間を楽しむものでもある。パーソナルスペースの延長が、車それ自体によって為され得る。普段大人しい人が、ハンドルを持つと別人になるのはこのパーソナルスペースの拡張による「全能感」から来るとは良く言われる話である。まぁそんな小難しい話は多分誰も読まないだろうから流すとして、そうした「空間」の満足度も含めて、オレもかなり強く推薦したし、きばもかなり満足している様子である。
これで、夫婦揃って車所有者になったわけだが。
オレの車…通称「カム子」、トヨタのカムリだからきばが付けた名前である。やはり、物に名前を付けるというのは大事なことである。『車に名前を付けるなんて、マニアっぽい』とか『車に名前を付けるなんて、根暗な感じ』とか、『車に名前を付けるなんて、こ、この変態ッ!!!!』などと思う向きもあろうが、そこは積極的に無視の方向で。我々は、ものに「名前」を与えることでその物を正しく認識し把握する、それが「ことばの力」というものである。名前があるから正しく理解し、大事に出来る。之は古今東西変わらぬ事実であり経験則である。盛大に話がずれる予兆を見せているが、勿論、要するに、今回のiにも、既に名前は付けた、と言うことだ。
しかしコレが実に難航した。単純な命名ルールではちょっと都合の悪いことが起きてしまうこともあって、良い名前が考えつかない。きばは「なるべくカコイイ名前が良いなぁ」などとオレの方向性からして無理難題を承知の上で要求してくるし、しかしながら夫としては妻の望みは可能な限り叶えてあげたい。そして、「名前」が、与えられた。
命名。「ビシ子」。
François Vichy ssoise 1st
言うまでもなく、三菱の車だからである。これでウチの家には、もう三菱の車は買えなくなった(笑)。まぁ、買いたくなったら買えばいいのであるが。その場合は『高速ビシ子弐豪』、もはや決定稿である(笑)。