水の国
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うちは、井上先生の絵は4枚所有しているわけだが、その中で一番の大物が「水の国」になる。「水を売る店」という名前で呼ばれていた事もあると言うことだが、水商売チック(もしくは災害にかこつけた強欲商売風)なので、どちらかと言えばやはり「水の国」が望ましいわけであるが、さてそんな事は置いといて。
淡海という「水の国」に住んでいるものとして、この絵のオーナーになれたことは、出会いから含めてのいきさつからしても存外の喜びなのだが、さて日々の仕事に忙殺されて、すっかりネットからもイバラードからも離れていたここ最近。ついこの間、「水の国」を入手したときの喜びを再び思い起こさせるような光景に出会えた。
この時期の水田は、代掻きが終わり、鏡面のような水面になっている。何せそこら中一体が田圃だらけの土地のこと、場所によっては視野のうちの5割が空、4割がその空を写した水面、そして1割が山…オイ道はどうした、というくらいの状態になる。青く晴れ渡った空のもと、風がそよとも吹かないような日になると、空と空の間に自分が居るような感覚すら覚える。「水の国」に描かれた水はどちらかと言えば『動』のものであったが、こちらは『静』の支配する水の国だ。
もう、今では苗付けも終わり、完全な鏡面では無くなってしまったが…それでも風の薙いだ日、狭間を感じる瞬間、水の国…そして水の星に生まれたことをとても幸せに感じられる、そんな瞬間がある。
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