INDEX NEW トオイカコノヒ 日々雑想

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  大阪、ケモノとケモノとカエルとイチゴ
 さる10/30(土)、我々夫婦は草津駅に立っていた。



「ゲーホゴホゴホゴホゴホゲハッ…ぐはっ」

「ヲット、だいじょ…ぶぁぐはげはごはっ」

「きばちゃんこそぉッゥオッほっホッげほっゴホっ」

「行くのやめぇッ…げはごほ」

「でもここまで来でぇッへっガッぐへっ」


…やんぬるかな、二人とも風邪引きさん。しかも最もピークを迎えた感じの咳ッぷり。しかしこの日は、前々から予定していた大阪ミニオフの日だったのである。外すわけには、いかねぇ。

 這々の体で大阪に着いた。大阪駅からは地下鉄で20分。今日の第一目的地は天王寺公園。大阪に関しては右も左も分からないオレはただただツマについていく。予定では、天王寺駅の改札の辺りで待ち合わせるはずなのだが…と、探すまでもなく、ちろ爺に後ろから呼び止められる。何でも、


 デカイ二人だからすぐ目についた


のだとか。改めて自分らが目立つらしいことを認識。裏付けるかのようにけろさんもやって来た。もう一人来るはずだったのだが、その人は土曜と日曜を間違えていたらしいことが判明、残念ながら参加出来ず。


 合流してまずは天王寺動物園を見に行くことに。天王寺公園を抜けて、動物園の方へと歩を進める。…ていうか、この公園、…。


 ナニ!?このムック。



 ナニ!?このライ…オン?




 ナニ!?このカ…バ…?




 ナニ!?このパンダ!!





変、変、変、変。と〜〜〜〜〜〜っても変。コレはネタになる。ネタになるぞぉぉぉっ!…と、撮りまくろうとしたんだが。


 突 然 の

  電 池 切 れ マ ー ク

    点 き ま し て ん


…ウゾ!?二日前に充電しなおして、まだほとんど使ってないのに!?…そういや修学旅行の一日目もいきなりの電池切れマークが出たっけか。二度目の症状ということで、これはもう電池がへたっているとしか考えられん、と理解。ネタ写真はほどほどで諦めて、動物園への余力を残しておく。


 天王寺動物園に入る。オレとちろ爺とけろさん、動物園の案内図を見に行く。きば、いずこかへと消える。
 こういう時のこの人の行く先は一つしかないのはもう分かっている。地図は要らない。「海獣舎」の案内板に従っていけば…ホラ、居た。

…この人、800円分も餌、あげてましたで。しかもアシカだけじゃなく、その辺にいた鳥にまで。途中からは「ホ〜〜〜ラ、取ってきなさ〜〜〜いオホホホホホホ」と言わんばかりの遠投。その度毎にワタワタしてる鳥やアシカが不憫で、不憫でアタシャァ……………アシカって、水の中ではえらい俊敏なのな。怒濤の勢いで放物線を描く餌を追っていく。て言うか、ありゃぁ喜んでますぜダンナ。

 ようやくきばの欲求が満たされたところで、他の動物も見て回る。園内には結構多くの動物たちが居た。いつもならその辺の動物を取りまくるんだが…今回は、前述の通り電池切れ。何とか、液晶を表示させずにファインダーだけで写す。どうやらここの営業部長らしい愛嬌のあるクマ(1)やら、現在近鉄では一玉1.000円という、人間様には手の出ない白菜を贅沢に頬張る鳥共(2)、やっぱり関西にはこの人が居なくっちゃイバドルたにゅき(3)、確かに火を食ってるように見えたんだろうなー、と思わせるヒクイドリ(4)等々…なかなか面白かった。もしかしたら、子供の時よりもオトナになってからの方が動物園って楽しめるんではなかろうか?イヤ、何となく。動物の行動に勝手にナレーション付けてみたりして。え、楽しみ方が違う?ほっとけ。

(1)(2)
(3)(4)


 動物園の後は天王寺美術館で、「万国博覧会の美術品」展。パリ万博やウィーン万博、シカゴ博などに出品された日本や世界の工芸品を展示していた。まぁ…何というか、言葉では表現出来ない。"ものすごい物を見た"では、月並みな表現だろうか。でも、そんな感じ。当時の一級品の美術工芸品が居並んでいるのである。現在では為し得ないのではないだろうか、と思える珠玉の作品ばかりだった。中でもアレクサンドル・カバネルの『ビーナスの誕生』と、尾形光琳の『国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱』、そして明治の作品だが『七宝百華図大壺』なるものもその細工がとても細かく、壷の表面の模様に深い奥行きと空間を感じ取れるような、とても素晴らしい作品だった。久しぶりに眼福…という気分を味わった。

 この時点で、時間は二時。中途半端な時間だったので昼ご飯は無しと言うことにして、一旦梅田に戻り、ヨドバシカメラでにょろにょろとウィンドウショッピングをする。「お腹空いた〜」とオレが主張したのでいったんはコムサカフェに行こうという話になったのだが、いつもながらの大行列を目の当たりにして5秒で入室を諦める。
 再度階下に戻り、オレはさんざ逡巡した挙げ句、デジカメの交換用電池を購入した。純正でも1年半くらいじゃないか、との店員の言葉を信じ、1年保つらしいサードパーティ製の充電池購入。…良いじゃんか、安かったんだもん。今のデジカメいつまで使うか分かんないしさ。この後は大きな買い物はしなかった。腹が減っていたことも大きな理由の一つだが、地下マウス売り場でショッキングな光景を目の当たりにしたからと言うのも要因の一つである。


 その後、みんなで天満にある中華料理屋さん『喜洋洋』で夕食。『上海食苑』という店の姉妹店らしい。上海食苑のページからはメニューも見られる。
 しかし普段なら、写真をちゃんと残しておくのに…と0.5秒程悲しむも、出てきた料理にすぐに心奪われ、後はただひたすら腹がくちくなるまで食べ続ける。一人2500円程食べただろうか?充分お腹も気持ちも満足出来た。さすが本場の人間が作るだけあって、なかなか本格的で美味しい店だった。特にニラ饅頭と小籠包!!もう絶品だった。かえすがえすも写真が撮れなかったのが残念だった…。


 大阪住まいのけろさんとは、その店の前で別れて雨降る中を一路大阪駅へ。そこから新快速に乗り、帰途に着いた。楽しかった一日、本来ならデジカメ内の写真を見て、思い出しながらきばと談笑出来るのに…と、電池の切れたデジカメを恨めしげに見つめる。一応、動物園までは写真が幾つか残っているはずなのだ。こんな役に立たない充電池、どうしようもない。せめて買ってきた電池と取り替えよう…ついでに電源、入れてみよう。






動くじゃネェかオイ固羅。






…え〜っと、充電された状態で売ってるって事?自然放電とかしないの?ていうか、もしかして料理屋で写真、撮れた?もしかして、オレ、バカ!?…ねぇねぇ。

2004年11月2日(火) ▲TOP  



  我に 福音 来たれりて
キタ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!






 イヤホント、マジで嬉しいッス。きばちゃんサイコーッス。愛してるッス!!





 今日は出張だった。スキー部の顧問会議で高島高校まで、片道50km強の道のり。ていうか他のスキー部のある学校はもっと近いんだが、如何せんうちの高校、県の中では南に位置するだけにこういう時は結構辛いモンがある。往復3時間。特に湖西は道が混むのだ。


 運転だけで疲れたっちゅーねん…と思いながら帰ってきた。程なくしてきばも帰ってきたのだけれど、何だかこちらを見てニヤニヤしている。どーにも何かあるらしい。
 何だろう…?と思っていると、鞄から大きな包みを取りだした。はて?プレゼント?…にしては、時期的に誕生日でもないし特に何かある日でもないし。とりあえずドキドキしながら包みをほどく。



Logicool MX-1000、キタ〜〜〜〜!!





 PC入力機器界の雄、Logicoolの最新製品!!今までの光学マウスとは一線を画す、レーザー光によるスキャン方式採用ォォ!!そのトラッキング精度は従来比20倍ィィ!!勿論Fast RFテクノロジーで無線でも有線の使い勝手ェ!!しかもライバルMicrosoftが採用して時の話題をかっさらったチルトホイールによる横スクロールも装備しているのだァァァ!!!!そう、かのスタパ斉藤氏をして"最強(たぶん)"と言わしめた、現時点史上最強史上最高市場品薄なMX-1000が、我が手元に君臨したのだ!!!!!!…ゼェゼェハァハァ。

 イヤ〜正直嬉しい。ていうか嬉しい。いやマジで嬉しい。素直に嬉しい。
 と言うのも、オレはつい最近HDDやらメモリやらファンやら、そしてノート用のマウスやらで少し贅沢をしたところだったので、この記事を見た瞬間に『欲しい!!』と思ったけど、そこはやっぱり物欲を抑えたのね、理性で。僅差の勝利だったけどさ。だから、このマウスを手にする日が来るとしても、もっと先のことだと思ってた。それが、ツマからのプレゼントで、しかもこんなサプラ〜イズな形で入手出来るなんて…う〜んツマ、オットのツボをよく心得てる。
 このMX-1000、とにかく品薄なことで知られている。通販サイトでもほとんどが納期未定であったり×印であったり、店頭には英語版すら並ぶという始末。きばはロジクールストアから取り寄せたので勿論日本語版、しかしやっぱり時間がかなり掛かったとのこと。人気あるんですな。箱を見てみると、確かに日本語版のサイズ。…実は、大阪のヨドバシカメラではつい数週間前に見たんですけどね。山積みのを(笑)。


 さて、こんな素晴らしいオモチャを神棚に飾っておくだけでは勿体ないので、早速使うことにする。それにしても、キラキラしたパッケージである…やはり「レーザー」と言うことを意識してだろうか。蓋を開けたらもっとキラキラで、ちょっと笑った(笑)。
 マウスそのものの接続はUSBで行けるので、PCの電源を落とす必要はない。スタパ氏や他のレビューなどでも触れられていた、マウスのクレードルから2本ケーブルが延びてしまう(USBとACケーブル)という話は、大して気にならず。今までもMX-700を使っていたオレにとっては、設置場所等に悩むこともなく、すんなりと接続出来た。
 とりあえず、以前のマウスウェアを削除する。このMX-1000からはマウスウェアが新調されているし、以前のマウスウェアが存在するとほんの少しだけ動きがカクカクする印象を受けた。付属CDではなくインターネットから落としてきたマウスウェアをインストール。USBなのに再起動を要求される(マウスウェアの都合だから仕方無い)ことに微かな矛盾を感じつつも、ワクワクしながら再起動を待つ。


 
 おお。動きが滑らか(当社比)。


 おお。横にスクロールする(それがウリ)。


 おお。ホイールが軽い(好き嫌いはあるだろうがオレは好き)。



 でも何より良いのは、やはり追従精度の高さ。マウスパッド要りません、マジで。実はロジクールのマウス、どうにも黒い面は余り得意じゃないようで、今まで用いていたMX-700(それまでのハイエンド)ですら、微妙にカーソルがぶれたりした。
 そのためにマウスパッドが必要なワケだが、マウスパッドをかますとマウスってぇのは動きが鈍る。そこでオレは「最強」の呼び声高いPOWER SUPPORT社のAirPad ProV 究極セットを使っていたのだ。これを使うと、それこそエアホッケーの様にマウスが滑る。しかも「究極セット」には、マウスの底面に貼って使うエアーパッドソールという「足」が付いている。これを付けるとさらに滑りが良くなるので、勿論オレは付けていたわけだ。
 しかしこのソール、付けると厚みが増すのでマウスをクレードルに置いて充電するタイプのMX-700は充電が出来ないという問題があった。やむなく充電器で充電した電池を、毎回底面の電池ボックスの蓋を開けて入れ替えるという作業を行っていた。というかそれじゃ快適じゃないだろう、と言う向きもあろうが、オレにとっては操作時の快適さこそが至上命題なワケであって、その為の日常の煩わしさは本末転倒ではなかったわけである…いや、ウソ。面倒くさかってん。その問題も解決したかってん。


 そしてMX-1000はマウスパッドが必要ない。


 今まで幾多の光学マウスをはねのけたウチの机も、ついにMX-1000の前には屈した。マウスパッド無しでもバッチリですわ。完全にこちらの操作に追従します。ブラヴォですわ。そもそもマウスパッドなんて要りまへん。汚れるだけどす。AirPadProは良いマウスパッドでおしたけど、如何せんシリコンでっさかい、皮脂や何かの汚れが吸着しはるんでっしゃろなぁ、マウス自体の動きがどんどん重くなってしまはる問題があったのどす。机やったらそれも最小限に抑えられますさかい、宜しゅうおます。これだけでもこのマウス、買う価値がありはるんとちゃいますやろか。




 …いかん、別人になっていた。そのくらい気持ちのいい追従性。

 さらに、電池残量を知らせてくれるインジケータが付いたことは有り難い。今まではいきなり警告音と共に「電池残量が無くなりました」と言われるウィンドウが出てきて、かなり心臓に宜しくなかったのだが、これならば前もって少なくなりつつある時に充電出来る。しかもソール無しなのでクレードルに置くだけで充電出来るという素晴らしさ!!ハァ、何てお手軽。今までの苦労がウソの様である(決してロジクールの所為ではない)。
 また、本体内蔵の充電池はリチウムイオンなのでメモリ効果を気にしなくても良いのも安心感の持てるポイント。勿論リチウムイオンだから完全に半永久的か、と言われると勿論そうではないんだが、やっぱりニッケル水素とかよりは安心出来る。


 しかもレーザー。レーザーが出てるのだ。やっぱりレーザーは良いやね。何はともあれレーザーだよね。レーザーと聞くだけでアドレナリン量が四割増するってもんで。オトコノコの永遠の憧れ、レーザー。さて、それではマウスの裏を御覧あれ…!?







ン!?「本当は見えるわけないだろ」って?




…フッ、夢を忘れちまったヲトナには見えないものなのさ。フッ…


2004年11月12日(金) ▲TOP  



  淡海 湖西で にょろにょろと
書いてるのは14日だったりする。が、13日の話である。


 11/13は、もともと1ヶ月程前の予定では実家に帰っているはずだった。と言うのも、実家の方では『二十二日講』という、数ある仏教行事の中でも、門徒がその自宅で行う最大規模の物(実は良く分かってない)を2週間後に控えているので、出来れば色々手伝いをしたかったのである。
 ところが、1週間程前に火災報知設備の点検の話が舞い込んできた。さすがに集合住宅に住んでいるからには点検しないわけには行かない。まぁ、ここんとこ忙しかったのもあるので休養にはもってこいだろう…と思い、実家には申し訳ないがその旨伝え、二人で掃除などしつつ居たのである。

 ところが金曜の夜、ちろ爺からメールが来る。「明日、湖西の方に行くけど、メシでも一緒せぇへん?」とのこと。行きたいのはやまやまだが…13日午後に点検の予約を入れてしまっていた。午後終わってからなら行ける…との旨返信。ちろ爺には湖西の方で待っててもらうことになる予定だった。
 土曜の朝、起きて早速掃除を始める。思った以上に早く掃除が済んだので、『早めに来てもらえないかな』ということになり、管理人さんに相談をしてみると「今他のマンションに行っているけど、すぐ来るとのことです」と快諾。まぁ午前中に来てくれたらイイや…と思い、とりあえずゲームでもして待っていようと電源を入れた。データをロードし、さて次のイベントでも…


 「あの〜スンマセン、消防設備の点検ですけど〜」


早!!3分経ってないよ!?



 「んじゃ始めますんで〜

  …

  ……

  ………ハイ、アリガトウございました〜。」



はやっっ!!2分かかってないし。

 思った以上に早く終わった旨、メールする。「早!!まだこっちは仕事片付けてないよ」と驚かれる。そりゃぁそうだ、ただでさえ午後の予定、しかも待っているつもりですら居たちろ爺としては青天の霹靂であろう。とりあえず時間を決めて、成安造形大学で会うことにした。



 とりあえず車を走らせ、成安造形大学に向かう。途中かなり混雑していたので間に合わないかと思ったが、どうやら雄琴駅でひろうことが出来そうな感じだったので、駅まで車を走らせる。駅までは数分の距離。駅前ロータリーに車を入れると、バス停でちろ爺がバスを待っていた。我々の一台前が、成安行きのバスである。慌てて車の窓から手を出してアピールする。何とか気付いてもらえたらしい。こっちに向かってくる。
 ここで我々も行動に移る。
 そう。きばは免許を取ったばかりなのである。やはり、練習を欠かしてはイケナイ。そして、車とはとかく危険なものである。危険なものであることを強く認識する為には責任を感じながら練習しなければ意味が無い。つーことでちろ爺はイケニエ同乗者決定。この前はけろさんが贄だったか…今滋賀県に来れば、もれなくきば運転を味わえます。にこやかにやってきたちろ爺の表情に一瞬にして死相が現れたのを、我々は見逃さなかった。


 かくして淡海夫婦&ちろ爺の雄琴〜成安ドキドキ暴走ツアーが始まった。


 …数分で終了。無茶苦茶近いんやもん。
 ていうか、誤解の無いように、そしてきばの名誉を守る為に書いておくが、乗るたびにどんどん上手くなってきている。最初、免許を取ったその日に乗ったオレだけがイケニエと呼ぶに相応しい体験をしたと言えるかも知れない。停止、発進等々、普通に走る分には随分と上達してきた。あまりに上達したからか、雄琴駅で発進する時に初心者マークを付け忘れたくらいである。湖西線でなければ、駅前ロータリーでの急停止なぞ、怖くて出来なかった…やはり練習は湖南以外でなければ(笑)。


 成安造形大学のカフェでランチを摂ったあと、淡海の夢展を見る。我々は二度目だが、やっぱり休日の午後に芸術鑑賞をするというのはノンビリしてて楽しい。優雅な休日を堪能した後は、一路三井寺へ。

 三井寺は、オレ個人は多分四度目である。一度は、きばとデートで来ている。一度は、採用一年目の時に一人で来ている。一度は…多分…ごく幼い時に…多分…。
 そろそろ紅葉しているかな…と多少の期待は抱いていたのだが、まだまだ緑色の部分が多かった。一部色づいている葉もあるが、どうにもどんよりとした曇り空では写真映えもしないし…と思っていたら、アレ?アレレレレ!?晴れて…来てるよ?さすが、オレの晴れ男Power!!………と、思ったら、どうやらこの日は大法要のリハーサル日だったようで。そこには多数の坊主メン。はぁぁぁッッ!!パ、パワーが違いすぎる…完敗です。


 しかしおかげで紅葉の色が一気に照り映える光線状態に。もともと、オレは真っ赤に染まりきった状態よりも、緑→黄→橙→赤へのグラデーションが楽しめるくらいの方が好きだ。もっともあまりに強すぎる光線で、三重塔を撮る時なぞは逆光で苦しんだが…オレやちろ爺、それに他のカメラマンが無言でシャッターを切っていると、おばちゃんの団体がやってきた。


 「いや〜綺麗やわぁ、ホラホラ、写真写真」

 「イヤ、アンタ、そこで写真撮ってやぁるから邪魔したらアカンで」

 「かまへんかまへん、モデルモデル。えぇてえぇて、はよ写真、写真」

 「イヤ〜光強いなぁ、スポットライトみたいやで〜」

 「エヘヘ〜そうかぁ、ホラ、ポーズ♪」



…強すぎます、アンタら。坊主パワーすら敵わない。勿論静謐さの欠片もない。ていうかモデルて。スポットライトて。アンタら、その写真現像したら、すっごい真っ黒の顔しか写ってないで、多分。或いはフラッシュの光で顔から上だけ真っ白か。興醒めと言うよりも悪酔いしそうなそのパワー。

 三井寺境内をゆっくりと見物してから、その足で近松寺という場所に赴く。
 近松寺は、大津日赤の裏手にある。裏手…と言っても、近松寺の方が完全に高台で病院を見下ろしている形になるのだが。三井寺から歩いていく場合には、三井寺の観月舞台の横の階段から下りていき、長等総合公園の中を抜けて長等創作展示館三橋節子美術館の横の階段を上っていくのが近い。
 この寺には、菩提樹がある。この菩提樹、何やら特別な木らしく、植物のプロ、ちろ爺は今回これが一番の目当てだったらしい。何でも、「樹木大図説」とやらに載っている樹齢千年の菩提樹らしい。仏教絡みで良く聞く、お釈迦様がこの木の下で悟りを開いたというアレだ。日本でもお寺でよく見かけるこの名前、実はホンモノは少なくて、別の木をボダイジュと呼んでいるのだとか(この辺全てちろ爺からの受け売り)。更に言うと、お釈迦様が悟りをひらいた木と今回の菩提樹とは、また違う木らしいのだが、植物には余り詳しくないのでこの辺で容量オーバー。何はともあれ、この木が欲しかったらしい。

 勿論、木自体はかなりのでかさである。そんなモンを引っこ抜いて持って帰ろうなぞとは誰も考えないし、そもそもそんなことしたら泥棒である。まぁ、木を丸ごと電車で持ち帰る泥棒なんぞ見た事がないが。自然に落ちている実を拾い、そこから発芽させてみるのだとか。…さすがプロ、と言うべきか、オレらにはそんな根性はない。つか、種から発芽させようとしたハーブは見事に失敗したのだから。ううう…一割で良いから分けてくれ、その緑の手。何ならリースでも可。



 当初の目的も果たせたので、充分満足した。特に後半からは天気も良かったし、大津の街を歩き回ってちょっとした散歩気分も味わえたので気分は爽快だった。そして気分が爽快になると、やっぱり人間お腹が空くのである。だって、歩き回ったしね!!
 そこでお茶でもしようかと言うことで、とりあえず車に戻って店を探すことにした。どうせ大津にいるのである、その辺に幾らでも喫茶店はあろうものなのだが…そこがやっぱり我々夫婦なのだろうか。何故だか遠くに行きたがってしまう。結局、今堅田にあるお店に行こう、ということになり、一旦雄琴から南下した道をまた北上する。しかし、これがもう大渋滞。車はノロノロとしか進まず、うららかな日差しの下、まぶたはどんどん重くなり…って、オレが寝たらいかんでしょうが。必死で眠気と闘いつつ車を走らせる。

 結局堅田に着く頃には、「この時間にお茶ってどーよ」な時刻だったので、急遽メシに変更する。堅田には前々から我々夫婦が行きたがっていたインド料理の店、『ラジャス&ムナ』がある。ラジャスさんとムナさんの兄弟が営んでいる店だ。以前に一度行った時は、見事に定休日だったのだ。今日は定休日ではないはずだが、閉め男として名を馳せているちろ爺同伴であるだけに、若干緊張しながら店へと足を運ぶ。



…閉まってる!!定休日でもないのに。


 我々の間に緊張感と共に伝説達成の偉業を目撃した時の高揚感が走りそうになる。しかし、どう考えても定休日と言うよりは時間外のような気もする。試しに店のドアを押してみると、普通に開く。普通、こういう状況だとマスターが『スイマセン、まだ準備中なんですヨー』とか言ってくるはず………言ってこない。奥に声をかけてみる。すると、「あ〜まだ準備中です〜」と、答えた。



足が。



 いや、マスター、客用の椅子で寝てるし。まぁ閉まってなくて良かったけど、さすがにただの準備中では終わらせないって事か、閉め男パワー。この日は坊主パワーと言い、おばちゃんパワーと言い、オレの晴れ男パワーの修行不足を痛感させられた日であった。
 待っていても仕方がないので、近くの浮御堂まで足を運び、夕映えの浮御堂でにょろにょろと時間を過ごした。堅田の落雁として近江八景にも数えられる名勝である。まぁ、雁は飛んでなかったが…夕焼けの橙から青へのグラデーションが美しかったが、心はもはやカレーの黄土色にしか興味がなかったのは事実である。


 開店時間になったので、再度ラジャス&ムナに向かう。今度は開いていた。胸をなで下ろしながら、通りに面した厨房でナンを打つラジャス(か、ムナ)の素敵な笑顔にこちらも笑顔を返しつつ、店内に入り席に着く。室内は成る程、インド風に仕上げてある。…壁とかは印刷だな…床は、全然インドっぽくないな…しかも、先刻寝てた椅子じゃないか…?これ。
 細かいことは気にせず、スペシャルセットを頼む。パーラックスープ(ホウレン草入りのスープ)、サラダ、肉料理(タンドリーチキン、チキンティッカ、フライドフィッシュ)、パパド(豆煎餅)、カレー(チキンティッカマサラ・チキンカレー・キーマカレーから三種、辛さ5段階)、ナンorライス、マンゴラッシーのセット。やっぱり一通り味わいたいので、欲張ってみんなこれを頼んだ。
 どれもこれも素晴らしい味だった。辛さもあるけど、その中に様々なスパイスの風味が複雑に絡み合い、程良いハーモニーを奏でている。しかしやっぱり何といっても上手かったのはカレーである。きばはキーマカレーの辛さ1(普通)、オレはチキンカレーの辛さ2(2倍の辛さ)、ちろ爺はチキンティッカマサラの辛さ3を頼んでいたが、どのカレーも美味しかった。ただ、辛さ3のちろ爺はさすがに大量の汗をかいていたが…(笑)。今回はみんなナンを頼んだが、次に行く時は他のメニューの量を抑えてもライスで食べてみようかな、と思う。勿論ナンは美味しい(て言うかかなり美味い)のだが、日本人としてはライスで食べてみたい欲求に駆られる。とにかく美味かった。そして、量が多かった(笑)。
 なお、ラッシーはやっぱり欠かせない。ヨーグルトに砂糖と牛乳を加えるだけでも家庭で作れる飲み物である(詳しい作り方は知らない)が、カレーには絶妙のセットである。犬を思い出すか大腸菌を思い出すかでその人の"層"が分かる名称ではあるが、とにかくオススメである。カレーにはラッシー。繰り返すが、飲み物である。大腸菌ではない。カレーと大腸菌の組み合わせは、さすがに食欲減退モノである。


 予定していたよりも、ずっと充実した休日になった。ここんとこ毎週のように通っている成安造形大学のカフェでまたランチを食べられたし、三井寺で紅葉も楽しめた上に団子も食べたし、近松寺で菩提樹の実を拾うと共にちろ爺にムカゴを教えてもらって生で食べても見たし、念願のインドカレーを食べられたし…もう、気分満腹、腹満腹。秋の日の淡海夫婦の溜息…嗚呼、世界は美味しひ。ゲップではない。断じて。





2004年11月13日(土) ▲TOP  


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