日記補完計画(その參)
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その道は、勘違いから始まった。
ある日曜日。きばとオレは草津市内のとある店で食事を済ませた後、ちょっとドライブをしようと言うことになった。まずは大津へ…そのまま、一度比叡山の麓の坂本という場所に行ってみようとオレが言い出した。うちの親父が「坂本は良いぞ」と言っていたのを思いだしたからだ。 どうせなら、延暦寺までロープウェイで行ってみよう。そう思いながら坂本の街にある鳥居をくぐった。 やはり、神域…イヤ、寺だからその表現はおかしいか、霊域?何にせよ、特別な場所なんだろうと言うことは、如何に霊感ゼロ夫婦であろうとも何となく理解出来た。何だか身の引き締まるような、空気が変わったような、そんな気すらする。その厳かな場所で…いやぁ、もう、行ったり来たりを繰り返し。 だって駐車場の位置が分かりにくいねんもん。「 P 」とか看板立てておいてくれたらいいのにさ〜<厳かさぶち壊し。結局、この日はロープウェイを諦めて、リベンジを誓いつつ坂本を後にしたわけだ。
で。
「悔しいから仰木に行こう」と言うことになり、特に何があるわけでもないが、毎度お馴染みの仰木の棚田を見に行った。棚田はトンボがたくさん飛んでいて、水田が一面緑に彩られており、非常に色鮮やかな美しさを見せていた。
で。
毎度の如く、普通の道を通らないわけだ、この夫婦。今回も
甲:「あ、道がある」 乙:「よっしゃ行け行け〜」 甲:「え〜、行くの?」 乙:「にゅっ!?」 甲:「…ハイ。」
と、いつもの会話が交わされ、車一台分の幅も無い道を何とか走る。途中で本当にヤバイかも…と思う頃には引き返せなくて、前に進むしかないのがこの行軍の痛いところである。今回は此方の勝利。何とか乗り越えた。
で。
乙:「あ、この道イイ感じ♪」 甲:「あ〜ホントだね〜」 乙:「よっしゃ行け行け!!」 甲:「おっしゃ行ったるぁ!!」
てな感じで勢いに乗じて従来南下してきたルートを北上。加えて
甲:「さて、次は右折かな…」 乙:「んじゃ、左!!」 甲:「えええ?北に行っちゃうのに!?」 乙:「…もう曲がってるじゃん」 甲:「えへ」
という流れで、本来湖西から湖南に戻るルートに乗るところをより北へ北へと湖西の奥地に入っていくルートに乗る二人。ていうか、微妙に甲が乙に感化されているような気がするのはきっと気のせいだ。
で。
やって来ちゃいました朽木村。まさか、昼飯後の軽〜〜〜いドライブがてらに朽木村まで行っちゃって、しかもそのまま安曇川まで曲がる道が無くて、最終的に四時間程ドライブを楽しんだのは勿論誰にも言えない秘密だ。
そんなこんなで、新しい道を発見したのだった。
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さて、ようやく話は7/19のことになる。 7月も後半ともなれば、食欲魔人ズにとっては決して落とすことの出来ないイベントが待ちかまえている。そう、
土用丑の日。
ただし21日はどこも混むことが予想される。そこで、ちょっと早めの鰻食いを行うべく、行くは西友。「せいゆう」ではない、「にしとも」と読もう。湖西は高島郡、今津町にある鰻屋だ。鰻食う為だけに往復4時間半。勿論この前見つけたルートで、朽木村経由。だって走っていて気持ちいい道だし。こんなことばっかりやってます、食欲魔人夫婦。
いや、それにしても、相変わらず西友の鰻は美味い。今回は「ひつまむし膳(2人前)」で我慢しておいたが、成人男性ならば、ここに来たら是非「大名膳」に挑戦して欲しい。ウナギの蒲焼きがまるまる一匹、大きな碗の上に鎮座坐している。
帰りに予定していた朽木温泉は、人があまりにも多すぎて急遽取りやめにした。さすがに駐車場に泊まりきれない車が路駐の嵐を呼び、風呂に入りきれない人々がパンを求める市民さながらに彷徨く温泉には入りたくはない。結局、鰻を食べる為だけに往復180kmの道のりを運転したのだった。しかしそれもまた良し。だって。
其処に、鰻が在るのだから。
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